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ワンポイント・レッスン

第4回 「呼吸について」

呼吸とは、人間が生きていくために絶対不可欠なものです。心配事がある時は息が浅くなりますし、 切羽詰っている時は、非常に早い呼吸をしていますが、声楽で使う呼吸は、一番心が穏やかな 状態で、ゆったりとしたものが理想的です。だから、身体を力ませたり、お腹を硬くする必要は ないと思います。ただ、全部を弛緩させたら、ふにゃふにゃになりますから、前回取り上げた姿勢 (フォーム)を復習してみてください。 呼吸となると、どうしても上半身に神経が集中してしまいますが、下半身は自分の体重を重力に 任せて、どっしりと構えましょう。

さて、呼吸には横隔膜が大きく関わっています。息を吐いているときに横隔膜が上昇し、吸うと下がる、 という動作が行われています。横隔膜は手にとって見ることはできませんが、まずは想像力を働かせて 息を吐いているとき、吸っている時の膜の状態を自覚しましょう。

その練習法として、吐くときに「スゥー」とか「シュー」とか 声に出して、少し長めの息を吐きながら横隔膜が上昇していくのを感じます。そして、もう、息が出ない というところまで吐き出したら、ゆっくりと鼻で息を吸ってみます。この時、横隔膜を下げようと思わなくても 勝手に弛緩された状態になり、充分に息が満たされた状態になっています。これを繰り返します。 慣れてきたら、4拍とか、8拍とかリズムを決めて練習されると良いでしょう。

長い息を保持するために、身体いっぱいに息を吸おうとして、吸い過ぎて逆に苦しくなった経験をお持ちの 方も少なくないと思います。それは、呼気がうまくいっていれば、必要以上に吸わなくても良いのに 無理に息をいれようとするので、身体が硬くなってコントロールできないからです。息を吸うタイミングは 大切ですが、あまり吸うことを意識し過ぎず、息を吐く方に集中されると、歌唱に必要な分の息が入ってきます。 そして、コントロールされた息の上に、声を乗せて歌うと、より充実した発声に繋がると思います。 ただ、このように文章にすると、色々と誤解や疑問も生じるでしょうから、自己流で歌をお勉強されるよりは、発声法を得とくした声楽家に直接指導していただいた方がいいと思います。